明石市  S様 70代 男性

大腸癌で肺や肝臓に転移して寝たきり状態で何とかして行きたいとご家族の方が来店されました。

病院で何度か抗がん剤をして体調が悪くなり寝たきり状態になっているそうです。

病院でかなり薬をもらっているが、薬を飲む事さえ辛い状態のようです。

シメチジン、メトホルミン、トラマール、ウルソ、カルバゾクロム、ペントオキシベリン、グリチロン十全大補湯を処方されているそうですが、化学合成の薬は飲まないようにしているそうです。

十全大補湯は漢方薬だからという理由で飲んでいるそうです。

食欲もなく、黄疸が出ており、足が浮腫んで慢性の微熱が続いているそうです。

中国医学的に『食積腑滞』、『気虚発熱』、『肝胆湿熱』の状態と考えられます。

その為、体に溜まっている不必要な熱毒素を解毒していく物、胃腸の消化管のつまりを取り除いていく物、血流を良くしていく物をお渡ししました。

そして、十全大補湯は今の状態では症状が悪化しやすい為、やめてもらいました。

すると3日ほどして、足の浮腫みがとれてきて微熱も下がり、黄疸もとれてきていると大変喜ばれております。

それから1週間ほどして、便や尿も出て腹水、胸水も減ってこられたそうです。

2週間ほどして、食欲が出てきて食べれるようになって来られました。

腹水や胸水が抜けない状態が続いていたら手術される予定でしたが、しなくて済んだそうです。

体調がかなり良くなり、喜んでいただいております。

漢方薬でも、必要な時に必要な物を使わなければ症状が悪化する事があります。

特に十全大補湯は腫瘍の患者様によく使われているのを見かけますが、これは炎症があったり、胃腸が弱っていて食欲もない場合は症状が悪化する方が多いように思います。

漢方薬の処方内にある薬草の効能効果がわかる人が処方しているならいいのですが、効能効果だけ見て処方されているようにしか思えません。

薬草の効能効果がわかっていれば、こういうことは防げると思いますが、病名だけで処方されていると効くものが効かなくなったり、逆に、体に負担をかけて症状を悪化させていきます。

また、黄疸、足の浮腫、食欲不振の状態の時に十全大補湯を飲む事は基本的にはしない方が良いと思います。

勿論、この他にも飲まない方が良い物がいくつもありますが、その都度、漢方の専門の人に聞いた方が良いと思います。

漢方薬は副作用がないのではなく、使い方を間違えれば良くない結果になる事はあります。

色々試してうまく行かない方は、是非、ご相談くださいね。