今回は『配偶子卵管内移植』(GIFT)、『接合子卵管内移植』(ZIFT)について記載します

卵管が特に問題ない方でしたら

卵管内に卵子と精子を移植して自然な受精、着床を待つ『配偶子卵管内移植』(GIFT)

体外受精した胚を卵管に移植する『接合子卵管内移植』(ZIFT)

を受けることもできます

全身麻酔による手術が必要なので、現在は一部の医療機関でしか行われていません

GIFTはより自然な妊娠を望む人、ZIFTは通常の体外受精-胚移植で妊娠しなかった人の次の選択肢の1つになります

GIFTとZIFTはどちらも、卵巣刺激から採卵、媒精までは通常の体外受精と同様に行いますが、媒精後、胚になるまで待たずに、卵管内に受精卵を移植します

受精卵の発育や子宮内への移送が体内で行われることを期待した方法なので、片側だけでも健康な卵管を持つ人が対象になります

GIFTでは、媒精して1時間程度の段階で、質の良い卵子2~3個を、共培養した精子とともに卵管采からカテーテルを挿入して移植します

両側の卵管が健康なら、左右それぞれ1~2個ずつ、計3個まで移植します

一方、ZIFTは媒精から24時間程度たった受精卵を、卵管内に移植する方法になります

また、顕微授精した受精卵を移植する場合もあります

どちらも、採卵を腹腔鏡下で行っていた10年ほど前に開発された方法になります

現在も、卵管への移植は腹腔鏡手術か、下腹部を2.5cm程度切開する小手術で行われています

GIFTによる出産率は約30%と、普通の体外受精(初期胚の子宮内胚移植)より高い数値が報告されています

自然な妊娠を望む人には選択肢の一つになると思います

ZIFTは、通常の体外受精では妊娠しない夫婦の、次の選択肢と考えられており、出産率は約25%と報告されています