今回は抗がん剤である『TS-1』について記載したいと思います

抗がん剤治療は、効果が高く・副作用の少ないことが理想です

そこで考案されたのが『TS-1』です

消化器がんに使われる『5-FU』を土台に、いろいろな工夫がほどこされています

日本では進行再発胃がんの治療において、約8割の医師が第1選択薬として使用されています

消化器がんの治療に用いる抗がん剤と言えば、その代表格は5-FU(一般名フルオロウラシル)がありました

「TS-1」は、今まで使用していた『5-FU』に“3つの工夫”を加えた経口の抗がん剤です

『1つ目の工夫』は、“プロドラッグ化”と呼ばれる手法です

この方法では、5-FUの元となる薬剤を投与し、それが体の中で5-FUへ変化するように考えられています

こうすることで5-FUが長時間、体内に存在できます

TS-1に含まれる5-FUのプロドラッグは、『テガフール』と呼ばれるものです

『2つ目の工夫』は、“分解阻害剤の配合”です

5-FUをさらに長時間、体内に存在させるために、5-FUが分解されるのを防ぐ薬剤(ギメラシル)がエスワンには加えられています

このギメラシルが、結果として5-FUの効果を高めるようになります

『3つ目の工夫』は、“副作用を軽減する薬剤の配合”です

5-FUでは、下痢などの消化器症状が多くみられました

そうした障害を少しでも減らそうとする薬剤(オテラシルカリウム)が、TS-1には添加されています

そうする事で、副作用が軽減できるようになりました

このような3つの工夫によって、患者は外来で治療が受けられる上、抗がん剤治療をうまく継続することができる事を期待されてつくられました

それでも、臨床の現場では完治は中々難しい状況があると思われます

ひとりでも多くの方が、生活の質を落とすことなく、健康で快適な生活が送れる様に、漢方薬や食生活についてアドバイスをさせて頂いております