自然妊娠を希望されていらっしゃる方で卵管のつまりや閉塞、癒着がある場合は、手術で卵管の通過性を回復させることもできます

それが卵管形成術です

最近は、一部の重症例を除いて開腹手術は減り、腹腔鏡や卵管鏡を用いた手術が多くなっているようです

卵管が卵巣などと癒着していたり、卵管采が閉塞して卵管水腫などを起こしていたりする場合は『腹腔鏡下卵管形成術』が行われます

お腹に開けた3~4カ所の小さな穴から、腹腔鏡や手術器具を挿入します

モニター画面を見ながら、癒着があれば剥離し、卵管の先の卵管采が閉塞していれば切開して開口させます

腹腔鏡検査に引き続いて、そのまま手術ができます

開腹手術に比べて体の負担が軽く、入院も1週間程度ですみます

また、子宮から卵管に移行する部分(卵管間質部)がつまっている場合は『卵管鏡下卵管形成術(FT)』も行われます

これは卵管鏡という極細の内視鏡を使って、閉塞部を開通させる治療です

卵管鏡を内蔵したカテーテルを膣から入れ、カテーテルの先のバルーン(風船)を膨らませながら卵管鏡を卵管内に挿入して、閉塞部を押し広げます

処置は外来で行われ、30分程度で終わります

ただし、腹腔鏡と組み合わせて行うこともあり、この場合は入院が必要です

FTは健康保険が利きますが、実施医療機関はまだまだ普及されていない事が現状のようです

その為、卵管障害がある場合は、これらの手術で卵管の通過性を回復させるか体外授精に進む択が出てきます

自然妊娠を望む人にとって、卵管形成術の意義は大きいと思います