今回は卵巣過剰刺激症候群(OHSS)について記載します
卵巣刺激による採卵後は、低下した黄体機能をサポートする治療が必要になります
GnRHアゴニストを使用した卵巣刺激を行うと、採卵後の黄体期が短くなることがよくあります
そのため、胚移植後の着床と妊娠をズムースにする目的で、プロゲステロン(黄体ホルモン、P)を補充する治療を採卵後から妊娠8週目まで行うのが一般的になります
エストロゲン(卵胞ホルモン、E)は採卵7日目ごろから使用します
使用される薬は、プロゲステロンの筋肉注射(商品名:プロゲデポーなど)や膣坐薬、エストロゲンの貼り薬(商品名:エストラダームMなど)などがあります
エストロゲンのかわりに、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)も有効ですが、妊娠判定に影響したり、OHSS発症の引き金になるので、頻繁には使用しない方がいいと思います
採卵前のhCG注射後から1週間は、OHSSの発症に注意が必要になります
妊娠が成立すると、自分のhCGが分泌され、さらに悪化しやすくなります
OHSSは卵巣が腫れ、血管外に水分がしみ出す一方、血管内の血液循環量が減った状態になります
お腹が張ってきたり、膨らみ、吐き気がして呼吸が浅くなります
さらに血栓や腎不全を起こすこともあります
異常を感じたらDr.に相談して、少し休む事も考えてみましょう
頑張り過ぎる事で自分を追い詰めてしまう方もよく見受けられます
少しサボって休む事で、体調が回復しやすくなると思います