不妊治療と言いますとほとんどが女性の問題と思われていましたが、現在は約半数は男性側の問題であることが分かっています
男性側の原因としては、大きく3つに分けられます
1.性行為の問題
→性交できない、勃起しない、射精ができないなど
2.構造上の問題
→精子はあるが精管を通過できない、または生まれつき精管がない
3.造精上の問題
→精子の数が少ない、動きが悪い、或いは精子ができない
1つ目の性交障害、射精障害、勃起障害などの方は、かなり多いですが、男性が悩んで泌尿器科にいく場合がほとんどです
あとの2つは無精子症と乏精子症(数が非常に少ない)、精子無力症(運動精子が少ない)の場合があります
精液検査で精液の中に精子が出てこない人の場合は無精子症です
これは精子がいないわけではなく、構造上の問題は閉塞性無精子症(どこかが詰まっているために、精子があるのに射精しても精液中に出てきていない)で、造精の問題は非閉塞性無精子症(管は通っているが、つくられている精子が少ない為、外まで到達していない)と無精子症の人も、手術で睾丸から精子を1匹でも取ることができれば、顕微授精で受精卵を得ることが可能になると思います
また、男性の500人に1人くらい、クラインフェルター症候群といわれる人がいます
染色体異常の47XXYでX染色体が2つあって、精子がほとんどないことが多いです
そういう人でも丹念に精巣の中の精細管を探すと精子が見つかることがあります
精子の採取方法としてTESEは精巣から取る精巣精子で、MESAは精巣上体から取るもの、RESAは精管から取るものです
精巣→精巣上体→精管と進むにしたがって、精子としての成熟度が高くなると言われていましたが、顕微授精では違いがありません
無精子症はFSHというホルモン値でもある程度は分かります
これは『精子を作りなさい』という指令を出すホルモンで、精子がなくなってくると値が高くなります
その為、FSHの値で、閉塞性か非閉塞性かの判断がある程度はわかります
ちなみに女性の場合も卵巣の機能が低下してくるとこのホルモン値が高くなります
漢方薬でも補腎薬を使っていく事で(約3か月ほど)精子の数、活動率がよくなってくる方が多くいらっしゃいます